組織メンバーのご紹介

代表理事 上田 裕市

熊本大学工学部・大学院で電子工学・電気工学を修めた後、約40年間、熊本大学で情報・電気・電子工学関連の教育・研究に携わってきました。2021年3月に大学院先端科学研究部教授を定年退職。現在、鹿児島第一医療リハビリ専門学校非常勤講師、熊本大学名誉教授。学生時代から人の話しことば(音声)に興味を持ち、在職中は、音声分析や認識・合成技術を扱う音声工学と補聴技術などの福祉工学を中心とした研究に携わってきました。特に、研究室で開発された独自の音声分析技術はカリフォルニア大学バークレー校言語学部の研究グループで採用され、この技術をベースにした音声可視化手法は、聴覚・構音障害者向けの発話学習・通話補助や障害音声の診断補助と言語治療における有効性が期待できることから様々な機能を持つソフトアプリ群を試作開発してきました。
今後は、これまで培ってきた音声関連技術や開発ノウハウに基づき、音声言語に関わる教育・福祉・医療の分野で必要とされるソフトアプリ群の開発・提供を行って、大学での研究成果を社会に還元していきたいと考えています。

理事 坂田 聡

1994年に熊本大学工学部電気情報技術科に入学し、卒業研究に取り組む4年生の時に、音や音声に興味があるという理由でなんとなく選んだ渡邉亮教授(現在は名誉教授)の卒研ゼミで音声信号処理に関する研究に出会い、その奥深さに取り憑かれ、現在に至るまで音声研究に携わってきました。恩師である渡邉教授の定年退職後は、ゼミを継承された上田教授(現在は名誉教授で本機構の代表理事)のゼミで研究を続け、私自身は熊本県立技術短期大学校に籍を移しましたが、音声分析や合成、認識技術をベースとした音声福祉工学に関する研究開発を続けています。

我々のゼミとDISCOVERING SOUNDS様との共同研究としてスタートした活動が、形を変え本機構の活動となり、長年に渡り培われた研究成果が実用化されることは感無量です。
私自身も、教育、医療・福祉の分野において困難を抱えている方達の一助を担うよう努力を続ける所存です。

理事 富田 大輔

俳優を目指し渡米し、コロラド大学デンバー校でコミュニケーション学を学んでいた際、なかなか自分の英語が思うようにならず、愕然とした日々が続いていました。どうしたらネイティブのような発音ができるか、独学で懸命に模索し、その結果、発音に関する筋肉のトレーニングを行うことで、ネイティブに聞き返されることもなく、オーディションでも戦えるレベルの発音を行えるようになりました。

この経験から、2006年に英語発音矯正スクール”DISCOVERING SOUNDS”https://discoveringsounds.com/を開校。以来、“日本語の発音と英語の発音では、そもそも使われる発音筋が異なる”ことに着目した“口腔構音器官発音筋トレーニング~アヒル体操~”を基に、発音矯正指導を実践しています。言語や話したい人の状態を問わず、誰しもが持っているコミュニケーション意欲をできるだけ広げたいという思いを込めて、私自身が今迄培って来た経験、知見、メソードの活用、発展応用で貢献していきたいと考えています。

理事 王 起龍

2001年、中国復旦大学を卒業後、IT業界従事。
ソフトウェア・データベース開発など、多岐にわたるプロジェクトを牽引。
直近では外国人を含むグローバルプロジェクト統括の仕事に関わる。
自らの第2外国語としての日本語習得や日本で就労している外国人が
抱えるコミュニケーションの課題に対するソリューションに
長年培ってきた自身のIT技術の知見を結び付け、
より実践的で開かれた社会を実現することが目標です。
幸いなことに、日本語と中国語は、ともに漢字を使用するので、漢字を見れば視覚的に意味は分かります。例えば、“猫”と書かれていれば、“ねこ”の意味だと分かります。
一方、発音は、日本語は“ねこ”、中国語は“マオ”と異なります。後者のような言語による音声の違いも、何らかの視覚的表現を用いて、外国人も、よりスムーズにコミュニケーションできるような社会になるように、尽力して行きたいと考えています。